いわしろ法律事務所


交通事故の被害者になってしまいました。慰謝料を請求できると聞いているのですが、交通事故の慰謝料というのはどのようなものなのでしょうか。そもそも、何故、慰謝料を請求できるのでしょうか。何か、法律上の根拠があるのでしょうか。交通事故における慰謝料について、弁護士に教えてほしいです。

目次


1交通事故における慰謝料とは何か


2交通事故の慰謝料にはどのようなものがあるのか


3交通事故の慰謝料の時効


4交通事故における慰謝料の算定基準



交通事故における慰謝料とは何か

交通事故の被害者は、怪我による痛みに苦しみ、治療を強いられる等、様々な精神的苦痛を受けます。


交通事故における慰謝料とは、被害者が交通事故で怪我をしたこと等によって受けた精神的な苦痛に対して支払われる金銭のことをいいます。そして、その法律上の根拠は、交通事故における加害行為が、民法709条に定められている不法行為に該当するからです。条文を見てみましょう。


民法709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。



交通事故の慰謝料にはどのようなものがあるのか

交通事故を理由として請求できる可能性のある慰謝料には3種類のものがあります。


入通院慰謝料

交通事故によって怪我を負い、治療のために入院や通院をした場合、入通院慰謝料を受け取ることができます。


入通院慰謝料は、怪我の部位や程度、症状固定日までの入通院期間等を考慮して、計算されます。


怪我の程度が重く、入通院期間が長期間であれば慰謝料の額は高く、怪我の程度が軽く、入通院期間が短期間であれば慰謝料の額は低くなります。


症状固定日というのは、治療を続けても症状の改善が見込めなくなった日のことをいいます。入通院慰謝料は、症状固定日までの治療内容を基準に判断します。


症状固定日がいつになるのかは、主治医が判断します。しかし、保険会社等と争いが生じた場合、最終的には裁判所が判断することにあります。


症状固定日以降に残ってしまった症状については、後遺症として別途損害賠償を請求することになります。


後遺症慰謝料

治療をしたけれども怪我が完治せず、後遺症が残ってしまった場合、入通院慰謝料とは別に、後遺症慰謝料を請求することになります。


交通事故による後遺症について、自賠責保険により後遺障害の等級が認定されたものについて、通常、後遺症慰謝料が支払われます。後遺障害の等級には1級から14級まであります。


したがって、まずは後遺障害等級認定を受けることになります。その後、後遺症慰謝料を請求するということです。


当然に、後遺障害が重いほど後遺症慰謝料の額は高額になります。


死亡慰謝料

交通事故により被害者が死亡した場合、本人と遺族は死亡慰謝料を請求することができます。


遺族とは、基本的に、被害者の両親、配偶者及び子のことをいいます。



交通事故の慰謝料の時効

交通事故において、加害者に対する損害賠償請求権の時効、自賠責保険に対する被害者請求権の時効のふたつを別々に考える必要があります。


加害者に対する損害賠償請求権

被害者が、交通事故による加害者及び損害を知った時から5年(民法724条の2)、不法行為の時から20年(民法724条2号)で時効になります。


時効の起算点はいつなのでしょうか。人身事故では、通常、交通事故発生後すぐに加害者を知ることができます。しかし、怪我を負った場合、怪我の治療の経過や、後遺障害の有無等はすぐにはわかりません。つまり、怪我による損害がどの程度なのかわからないということです。


したがって、怪我が完治した日、もしくは症状固定日の翌日から時効期間がスタートすると考えられます。


自賠責保険に対する被害者請求権

交通事故によって受けた損害について、自賠責保険に支払いを請求することができます。これを、被害者請求権といいます。自動車損害賠償保障法に基づく被害者請求権の時効は3年です。



交通事故における慰謝料の算定基準

慰謝料の算出基準には、自賠責基準、任意保険基準、裁判所基準の3つのものがあります。


自賠責基準

自賠責保険は、車両の保有者に法律上その加入を強制しているものです。


被害者請求により慰謝料を自賠責保険から受け取るケースがあります。その場合、この自賠責基準で算定されることになります。


交通事故の被害者に対して、最低限の保証を行うことを目的としていますので、通常、支払われる金額は3つの基準のうち最も低くなることが多いです。


任意保険基準

任意保険の基準は、加害者側の保険会社が独自に設定している、示談交渉をする際の支払いの基準です。


当然に、保険会社によってその内容は異なります。また、正式に公表されているものではありません。


一般的に、自賠責保険と同等、もしくはそれ以上ですが、裁判所基準と比べると、低い額であることが多いです。


弁護士の基準

裁判例により認められてきた、類型別に賠償額を基準化したものです。通常、3つの基準の中で、一番高くなります。



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