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業務上横領罪とは、刑法に定められている罪のひとつです。業務上、自己の占有する他人の物を横領した場合に成立します。
まずは、刑法の条文を確認しましょう。
刑法253条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
業務上横領とはどのような犯罪なのでしょうか。会社のものを預かり、管理している従業員が、それを自分のものにしてしまうような行為が業務上横領に該当します。
例えば、会社のお金を管理している従業員が、自分のふところに入れてしまうようなイメージです。
罪を犯したというためには、刑法に定められた構成要件に該当する行為を行なったという必要があります。業務上横領の構成要件は以下のように説明できます。
① 業務上
② 自己の占有する
③ 他人の物を
④ 横領した
それぞれの要件について、解説していきましょう。
業務とは、職業や事業に関して、日々反復継続的に行っているものをいいます。したがって、私生活上の行為はこれに該当しません。
刑法には、横領罪(刑法252条)という別の犯罪が定められており、これは、業務上横領と比較して、軽い犯罪とされています。
占有とは、自らの支配が及んでいる状態のことをいいます。
先の例でいうと、会社の従業員が、会社からお金の管理を任されているような状態がこれに該当します。
他人の物とは、その物の所有権が他人にあることをいいます。要するに、自分のものではないということです。
横領とは、不法領得の意思を発現する一切の行為をいいます。簡単にいうと、外部から、所有者でなければできないような行為をする意思が認められれば、横領となります。
例えば、他人のものを勝手に売却すること等がこれに該当します。
以上の4つの構成要件を満たすと、業務上横領罪にあたることになります。
業務上横領の罰則は10年以下の懲役です。裁判において、3年を超える懲役刑が言い渡された場合、執行猶予がつきません。執行猶予がつかない場合、刑務所に収監されてしまうことになります。
業務上横領の公訴時効の期間は7年です(刑事訴訟法250条2項4号)。
業務上横領を犯した場合、逮捕されてしまう可能性が十分にあります。
しかし、そもそも被害者が横領の被害に気付いていないことがあります。また、被害に気付いているものの、現在のところ、警察等の捜査機関に被害を届け出ていないこともあります。このような場合、捜査が開始されずに、逮捕も行なわれないという状況にあることが考えられます。
例えば、経理を担当している従業員が、気付かれないように工夫し、横領しているということはあり得る話しです。また、被害を受けた会社が、どのように対応すべきか話し合いを重ねていることもあるでしょう。
このようなケースでは、漫然とやり過ごすのではなく、被害者に対して謝罪し、示談金を支払う等して示談を成立させることが大切です。そのようにすることで、被害届の提出や捜査の開始を避け、逮捕や刑事裁判といった厳しい処分、手続きを事前に回避することが考えられます。
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