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保釈という言葉は、新聞やニュース等で見聞きしたことがあるかもしれません。しかし、保釈について馴染みのあるひとは多くないでしょう。
保釈の際に支払われる保釈金について、詳しく見ていきたいと思います。
刑事事件において、被疑者として逮捕されることがあります。その後に起訴されると、被告人として、身柄拘束が継続することがあります。これを勾留というのですが、身柄を釈放する保釈という制度が認められています。
なお、起訴前の被疑者段階における勾留には保釈の制度はありません。
保釈には、権利保釈、裁量保釈等の種類がありますが、いずれの場合も、保釈の際に、保釈保証金を納める必要があります。保釈金は、判決の結果に関わらず、原則として、返金されることになります。しかし、保釈条件に違反する等した場合、保釈金が返還されないこともあります。
保釈保証金を納付させることによって、公判期日に出頭しなければ保釈保証金が返還されないという心理的な影響を与えることになります。つまり、保釈金を設定することで、被告人の出頭をきちんと確保することにつながるのです。
保釈金額は、裁判所が決定します。一般的に、150から300万円ほどであることが多いです。
被告人の出頭を確保することが目的のひとつですので、被告人の資産状況、犯罪の性質等を考慮したうえで、適当な金額が設定されることになります。
被告人に前科がある、重大な事件である等の場合、釈放された際に逃亡、証拠隠滅の可能性が高いと考えられているため、保釈金額も高くなります。また、被告人の資産の状況に応じて、逃亡等を十分に抑止できる程度の保釈金額が設定されます。
保釈金の納付は、弁護士を通して行なうことが一般的です。現金、小切手を持参する方法等があります。
保釈金を支払うことができない場合、保釈が認められても、実際には保釈されません。自ら保釈金を用意できないときには、どのようにすればよいのでしょうか。
保釈を請求することができるのは、配偶者や親、弁護士等に限られますが、保釈金の支払いについては、そのような限定はありません。実際に、友人や上司等に保釈金の支払いをお願いすることは少なくありません。
保釈金は、問題がなければ、後に返還されるものですから、被告人との間に一定の信頼関係があるひとであれば、代わりに納付してくれるかもしれません。
保釈保証金の代わりに、有価証券等を提出することも認められています。
民間団体が行なっている制度を利用して、保釈金を用意することも考えられます。
例えば、日本保釈支援協会という団体に対して、立替えの申請を行ないます。審査に通れば、弁護士を通じて、立替え金を受け取り、保釈金を支払うことが可能になります。
判決後、数日で保釈金は返還されます。保釈は、判決によってその効力が消えるため、保釈金が返金されることになります。
保釈時における被告人の行動によっては、保釈金が没取されてしまい、返還されないことがあります。保釈の際に、被告人は、裁判所が指定した保釈条件をきちんと守る必要があります。
例えば、召喚とは、裁判所が決めた日時、場所に出頭するよう命じることをいうのですが、もし、被告人がこの命令に背いた場合、保釈保証金が没取されてしまうことがあります。
その他、逃亡、罪証隠滅のおそれがあるとき、保釈金の没取や保釈の取消しがあり得ます。
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