いわしろ法律事務所


逮捕にはいくつかの種類があると知りました。どのようなものがあるのか、それぞれの違いや要件等について教えてほしいです。また、逮捕後の手続きについても知りたいです。

目次


1逮捕にはどのような種類があるのか


2通常逮捕


3現行犯逮捕


4緊急逮捕


5逮捕後の手続き



逮捕にはどのような種類があるのか

逮捕とは、被疑者の身体を拘束し、それを短期間継続する強制処分のことをいいます。


逮捕には、通常逮捕(刑事訴訟法199条)、緊急逮捕(刑事訴訟法210条)、そして現行犯逮捕(刑事訴訟法212、213条)の3つの種類があります。


それぞれについて、逮捕の際に必要な要件が定められています。それらの要件を満たさない逮捕は違法な逮捕ということになります。それでは、それぞれの逮捕について、その要件等を見てみましょう。



通常逮捕

通常逮捕とは、裁判官から事前に逮捕状の発付を受け、その逮捕状に基づいて、被疑者を逮捕する強制処分のことをいいます。刑事訴訟法の条文を確認しましょう。


刑事訴訟法199条1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、30万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、2万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まった住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。


2項 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。


通常逮捕の要件

通常逮捕の要件は、①逮捕の理由及び必要性、②逮捕状の請求、発付のふたつです。


逮捕の理由とは、被疑者が罪を犯したと疑うに足る相当な理由があることをいいます。また、緊急執行の場合を除き、逮捕状を呈示することが必要になります。


逮捕状は、検察や警察が裁判官に対して請求します。逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認めるときは、明らかに逮捕の必要がない場合を除き、逮捕状を発付します。



現行犯逮捕

現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者を現行犯人といい、現行犯は逮捕状なしに逮捕することができます。また、法律によって定められた一定の状況にあたる者が、罪を行い終ってから間がないと明らかに認められるときは、現行犯とみなされます。


刑事訴訟法212条1項 現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者を現行犯人とする。


2項 左の各号の一にあたる者が、罪を行い終ってから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。

1号 犯人として追呼されているとき。

2号 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。

3号 身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。

4号 誰何されて逃走しようとするとき。


213条 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。


現行犯は、誰でも逮捕状なくして逮捕することができます。犯罪の被害者本人や、目撃者がその場で犯人を拘束することでき、このことを私人逮捕といいます。つまり、警察等の捜査機関でなくても、逮捕することができるのです。


但し、私人が現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを検察や警察に引き渡さなければなりません。


現行犯逮捕の要件

現行犯逮捕の要件は、①その犯人による特定の犯罪であることが、逮捕者にとって明白であること、②その犯罪が現に行われていること、又はその犯罪が現に終わったことが、逮捕者にとって明白であることです。



緊急逮捕

緊急逮捕とは、一定の重大犯罪に当たる罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状の発付を待っていたのでは、その目的を達し得ないときに、逮捕の理由を被疑者に告げて逮捕することをいいます。


刑事訴訟法210条1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。


緊急逮捕の要件

緊急逮捕の要件は、①死刑または無期もしくは長期3年以上の懲役もしくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由があること、②急速を要すること、③逮捕時に理由を告げること、④逮捕後直ちに裁判官の逮捕状を求める手続きをとることです。



逮捕後の手続き

警察は、被疑者を逮捕したときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人選任権を告げたうえ、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは、直ちに被疑者を釈放する必要があります。


留置の必要があるときは、被疑者が身体を拘束されたときから48時間以内に、書類及び証拠物とともに、身柄を検察官に送致する手続きをしなければなりません。


逮捕されてしまった場合、できるだけ早く、身体拘束が終わるように対応する必要があります。逮捕の要件を争うこともあり得ますし、示談等によって逮捕の必要性がなくなったことを主張することも考えられます。


逮捕時は、警察に留め置かれることが殆どですが、弁護士以外の者との接見や面会はできません。


再逮捕とは

被疑者の逮捕勾留には、一罪一逮捕一勾留の原則というものがあります。通常、同一の犯罪事実で複数回逮捕勾留されることはありません。


しかしながら、同じ被疑者が別の余罪等の犯罪事実で、逮捕勾留されることで、身柄拘束が継続する可能性は考えられます。一般的に、このことを再逮捕と呼んでいることが多いように思います。



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