いわしろ法律事務所


刑事事件においては、どのように手続きが進行していくのでしょうか。そもそも、どのように捜査が始まるのでしょうか。逮捕される場合、逮捕されない場合によって、手続きに違いはあるのでしょうか。

目次


1刑事事件の流れ


2身柄事件


3刑事裁判



刑事事件の流れ

被疑者、被告人として、刑事事件を経験したことのあるひとは、あまり多くはないでしょう。刑事事件がどのように進行していくのか、刑事事件の手続きの流れについて説明したいと思います。


刑事事件においては、犯罪があったのか否か、犯人が誰なのか、犯罪・犯人を立証できるのか否かを検察、警察といった捜査機関が捜査することになります。


どのように捜査は始まるのでしょうか、捜査の端緒は何なのでしょうか。被害者や目撃者が、捜査機関に対し、被害や犯罪の事実を申告することが考えられます。そのような申告等をきっかけとして、捜査機関による捜査が開始されます。


捜査には、犯罪の嫌疑のあるひとの身体の拘束を伴わない在宅事件と、身体の拘束を伴う身柄事件があります。


在宅事件

在宅事件においては、被疑者は逮捕等されることなく、適宜捜査機関に任意の出頭を求められ、それに協力する形で事件が進行していきます。つまり、被疑者は日常生活を維持したまま、取調べ等を受けることになります。


捜査の結果、検察官が起訴すべきと判断すると、刑事裁判になります。ここで、被疑者から被告人へと立場が変わることになります。在宅事件の場合、刑事裁判のために、自宅から裁判所に行くことになります。



身柄事件

逮捕

警察は、犯罪の嫌疑のあるひとを逮捕する必要があると判断すると、逮捕状を裁判所に請求します。逮捕状が発布されると、被疑者は逮捕されることになります。刑事訴訟法の条文を見てみましょう。


刑事訴訟法199条1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まった住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。


2項 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。


警察が逮捕した場合、48時間以内に検察庁に事件を送致しなければいけません。


送致を受けた検察官は、引き続き身体を拘束する必要があると判断した場合、24時間以内に、裁判所に対して勾留請求を行ないます。


これらの時間制限についても、刑事訴訟法を確認してみましょう。


刑事訴訟法203条 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。


205条 検察官は、第二百三条の規定により送致された被疑者を受け取ったときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取った時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。


2項 前項の時間の制限は、被疑者が身体を拘束された時から七十二時間を超えることができない。


勾留

検察官の勾留請求に対し、裁判官は被疑者に対して質問をして、勾留するのかどうかを判断することになります。これについては、刑事訴訟法207条、60条に定められています。


勾留をする必要があると判断された場合、勾留請求がなされた日から10日間、勾留されることになります。


検察官は勾留の延長を請求することができます。裁判官が勾留の延長が必要であると判断した場合、10日間、勾留が延長されます。


起訴

通常、勾留の満期までには捜査が終わり、検察官は、被疑者を起訴するのか否かを判断することになります。起訴されるということは、刑事裁判になるということを意味します。


刑事訴訟法248条 犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。


このことを起訴便宜主義といい、公訴権を独占している検察の権限の大きさを示しているといえるでしょう。


なお、起訴されるときでも、公開の法廷で行なわれる刑事裁判と、法廷ではなく、書類によって処理される略式手続という簡略したものがあります。


略式手続は、100万円以下の罰金又は過料が科される場合のみに行われる手続きです。



刑事裁判

検察官が起訴すると、刑事裁判を行なうことになります。逮捕・勾留されている場合、警察署や拘置所から法廷に出頭します。在宅事件の場合、自宅から裁判所に出頭します。


裁判所では、まず本人確認をし、検察官が起訴状を読み上げます。その後、裁判官から黙秘権があることを告げられ、起訴状に記載されている犯罪事実を認めるのかどうか尋ねられます。このとき、黙秘することも認否を留保することもできます。


以上の手続きの後、検察官による立証活動、弁護士による立証活動がなされます。裁判を受けている被告人に対する質問も行なわれます。


刑事裁判の終了時、被告人は、最後に主張したいことを言う機会があります。


判決

裁判の結審後、判決の言い渡しの期日が指定されます。


通常、犯罪を認めて争っていない場合、1から2週間後に判決が言い渡されることになります。他方、無罪を主張して争っている場合、判決の言い渡しは少し先になることが多いです。裁判所が検討すべきことが多くなるからでしょう。


裁判所の判決に対して、控訴して更に争う場合、判決を受けた日から14日以内に控訴の手続きを行なうことになります。



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